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2017年2月18日土曜日

スィフラに対するミシュナーの依拠 Reichman, Mishna und Sifra

  • Ronen Reichman, Mishna und Sifra: Ein literarkritischer Vergleich paraleler Überlieferungen (Texte und Studien zum Antiken Judentum 68; Tübingen: Mohr Siebeck, 1998).
本書は、レビ記に関する法的ミドラッシュである『スィフラ』と『ミシュナー』とを比較し、『ミシュナー』が直接的に『スィフラ』に依拠していると見られる並行箇所を比較したものである。著者の三分類によれば、第一に、一貫性を欠いているが『スィフラ』と並行している『ミシュナー』伝承、第二に、『スィフラ』による解釈のために意味論的な違いがある『ミシュナー』伝承、そして第三に、『スィフラ』を『ミシュナー』編者が改訂したと思われる『ミシュナー』伝承である。

著者はそれぞれの分類のために、多くの並行箇所を挙げているが、それらは著者自身による前提から出発した分類なので、トートロジーになってしまっている。著者の仮説では、『スィフラ』の素材は『ミシュナー』でも使われていたことになっており、その仮説に合致する箇所のみが扱われている。G. Stembergerは著者の博士論文を詳細に検証した結果、『ミシュナー』が『スィフラ』に依拠しているという主張を含む著者のほとんどの議論を否定している。

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