この城の跡地が公園になっているのですが、その中に琉球古典『おもろさうし』の研究者だった伊波普猷(いは・ふゆう)のお墓があります。伊波については、『古琉球』(岩波文庫)の解説で詳しく書かれているのでご参照ください。
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伊波普猷は、柳田国男や折口信夫などとの交流の中で、それまで注目されることのなかった古典『おもろさうし』に目をつけ、さまざまなアプローチから、琉球人が上代の日本の言葉や文化を保存していること、そして共通の民族的アイデンティティを持っていることを証明しようとしました(『古琉球』所収の「P音考」などがその興味深い成果の一つでしょうか)。
伊波普猷の顕彰碑です。
「おもろと沖縄学の父 伊波普猷」と書かれています。
彼の姿勢は、現在からみると少々同化主義的なきらいがなきにしもあらずで、「日琉同祖論」として揶揄されることもあるようですが、私の個人的な印象としては、沖縄が直面していた現代的な問題を解決するために、彼が現代政治や経済ではなく古典研究をしたというところに強いシンパシーを感じます。ユダヤ学におけるレオポルト・ツンツがそうであったように、最もアクチュアルな問題提起は、古典研究から生まれてくるのです。
浦添城跡を見たあとは、首里城に行きました。その昔は浦添から首里城まで石畳の街道が伸びていたそうで、気分としては「街道をゆく」という感じです。
おなじみ守礼門。
曲線が実に美しいですね。
知らずに行ったのですが、たまたま「首里城祭」という特別期間で、「冊封儀式」という中国の使者を迎える儀式の再現をしていました。10月も末ですがかなり暑かったので、役者の方々は大変だったでしょうね。
明日は一日フリーなので、あちこち見て回ってから帰りたいと思います。
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