日本旧約学会の学会誌『旧約学研究』第8号が出版されました(1-7号の目次はこちらから)。今回は学会創立77周年記念号だそうで、論文4本、シンポジウム講演録3本に加え、「日本旧約学会77年史資料(1989年以降)」という付録がついています。資料が「1989年以降」なのは、すでに『日本旧約学会55年史』という書物が1989年に出版されているからで、今回の資料はその続きに当たるようです。
この資料と相互に補うようにして、日本旧約学会および日本の旧約学の歴史について書かれた関根清三氏の会長講演録を興味深く読みました。この講演によると、日本旧約学会は1933年に設立され、日本のキリスト教関係の学会としては最も歴史が古いものだそうです。歴代会長は、渡辺善太、都留仙次、手塚儀一郎、浅野順一、左近義滋、関根正雄、中沢洽樹、左近淑、木田献一、西村俊昭、並木浩一、月本昭男、関根清三とあり、確かに錚々たる顔ぶれです。
『旧約学研究』第8号(創立77周年記念号、2011年11月1日発行)
論文
大澤耕史「ヘブライ語聖書における「魔術」の相関図:タルムードの議論を参考にして」……1-19
加藤哲平「新約聖書における旧約引用の問題:ヒエロニュムス『最善の翻訳法』を中心に」……21-40
小友聡「コヘレト書の反黙示思想:二つの詩文をめぐって」……41-57
山我哲雄「歴代誌でアハズ王はなぜ個人的に罰せられないのか?歴代誌における応報神学への一考察」……59-91
シンポジウム「日本の旧約学」をめぐって
会長講演
関根清三「日本の旧約学:学の回顧と学会の展望」……93-114
発題講演
西村俊昭「過去を顧みて」……115-28
野本真也「雑感」……129-37
日本旧約学会77年史
資料(1989年以降)……139-74
日本旧約学会規約……176-77
執筆者紹介……178
*付記
誤記を見つけたので挙げておきます。
(1)執筆者紹介で、大澤耕史氏の所属が「同志社大学大学院」となっていますが、正しくは「京都大学大学院」、(2)英文目次で、加藤哲平氏の論文タイトル中に「generare」とありますが、正しくは「genere」です。
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