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シケリアのディオドロス『歴史叢書』40.3中に引用される、アブデラのヘカタイオス『エジプト史』におけるユダヤ民族の描写のまとめ。
出エジプトの逸話の翻案。エジプトに疫病が流行ったため、エジプト人はそれを自国中に住む異邦人の宗教や犠牲のせいにした。そこでエジプト人たちは外国人を追い出した。リーダーの中には、ダナウスやカドモスといった有名人もいたが、中でも最も人数の多いグループのリーダーがモーセだった。
ギリシア的な植民化。モーセは知恵と勇気に秀でた人物で、エルサレムの町の基礎を築き、神殿を建設した。神殿は祭司を持ち、礼拝と儀式を司り、律法を定め、政治を取り仕切った。モーセは民を12の部族に分けた。神の偶像を持たないのは、神が人間の形をしておらず、地を囲む天であるから。ユダヤ民族は他の民族と異なる犠牲を奉げており、非社会的で不寛容な生活を送っていた。
祭司政治。モーセは民の中から祭司たちを任命した。この祭司たちは裁判官としても働いた。祭司政治ゆえに、ユダヤ人は王を持ったことがなかった(サムエル記・列王記との矛盾)。祭司たちのうち最も優れた者は大祭司となり、神の戒律を伝える者として働いた。律法制定者は近隣の諸民族との闘いに軍隊を率いる。勝ち取った土地は、個々の市民には平等に分け、より広い土地は祭司たちに渡される(申18との矛盾)。
個々人は自身の地所を売ることを禁じられている。土地に住む者たちは子供をしつける義務がある。結婚や埋葬に関しても、非常に異なった慣習を持っているが、ペルシアやマケドニアの支配下に置かれているうちに、そうした慣習はなくなっていった。
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