2016年2月6日土曜日

オリゲネスの著作について Crouzel, "The Works of Origen"

  • Henri Crouzel, Origen (trans. A.S. Worrall; San Francisco: Harper & Row Publishers, 1989), pp. 37-49.
OrigenOrigen
Henri Crouzel A. S. Worrall

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オリゲネスは、「彼が自分自身で書いたほどの量の書物を、いったい誰が読めるだろうか」とヒエロニュムスをして言わしめたほど大量の著作を残したが、のちにオリゲネスをめぐる異端論争などの影響で、その多くが失われてしまった。失われる前のオリゲネスの著作リストは、ヒエロニュムスの『書簡33』に詳しい。これはおそらくヒエロニュムスがカイサリアの図書館で見た著作群だと思われる(エウセビオス『教会史』第6巻に残されている著作リストと巻数が異なる場合は括弧でエウセビオスの巻数を書いた):

旧約聖書の注解(とその他)
  • 『創世記注解』13巻(エウセビオス12巻)
  • 『創世記説教抜粋』2巻
  • 『出エジプト記注解抜粋』
  • 『レビ記注解抜粋』
  • 『雑録』10巻
  • 『イザヤ書注解』36巻(エウセビオス30巻)
  • 『イザヤ書注解抜粋』
  • 『ホセア書のエフライムについて』
  • 『ホセア書注解』
  • 『ヨエル書注解』2巻
  • 『アモス書注解』6巻
  • 『ヨナ書注解』
  • 『ミカ書注解』3巻
  • 『ナホム書注解』2巻
  • 『ハバクク書注解』3巻
  • 『ゼファニヤ書注解』2巻
  • 『ハガイ書注解』
  • 『ゼカリヤ書の冒頭注解』2巻
  • 『マラキ書注解』2巻
  • 『エゼキエル書注解』29巻(エウセビオス25巻)
  • 『詩篇1-15篇注解抜粋』
  • 『詩篇1篇注解』
  • 『詩篇2篇注解』
  • 『詩篇3篇注解』
  • 『詩篇4篇注解』
  • 『詩篇5篇注解』
  • 『詩篇6篇注解』
  • 『詩篇7篇注解』
  • 『詩篇8篇注解』
  • 『詩篇9篇注解』
  • 『詩篇10篇注解』
  • 『詩篇11篇注解』
  • 『詩篇12篇注解』
  • 『詩篇13篇注解』
  • 『詩篇14篇注解』
  • 『詩篇15篇注解』
  • 『詩篇16篇注解』
  • 『詩篇20篇注解』
  • 『詩篇24篇注解』
  • 『詩篇29篇注解』
  • 『詩篇38篇注解』
  • 『詩篇40篇注解』
  • 『詩篇43篇注解』2巻
  • 『詩篇44篇注解』3巻
  • 『詩篇45篇注解』
  • 『詩篇46篇注解』
  • 『詩篇50篇注解』2巻
  • 『詩篇51篇注解』
  • 『詩篇52篇注解』
  • 『詩篇53篇注解』
  • 『詩篇57篇注解』
  • 『詩篇58篇注解』
  • 『詩篇59篇注解』
  • 『詩篇62篇注解』
  • 『詩篇63篇注解』
  • 『詩篇64篇注解』
  • 『詩篇65篇注解』
  • 『詩篇68篇注解』
  • 『詩篇70篇注解』
  • 『詩篇71篇注解』
  • 『詩篇72篇冒頭注解』
  • 『詩篇103篇注解』2巻
  • 『箴言注解』3巻
  • 『コヘレト書注解抜粋』
  • 『雅歌注解』10巻
  • 『雅歌注解』2巻(若いときに書いた)
  • 『エレミヤ哀歌注解』5巻
  • 『モノビブリア』
  • 『諸原理について』4巻
  • 『復活について』2巻
  • 『復活についての対話』2巻
  • 『箴言の諸問題について』
  • 『カンディドスに対するウァレンティニアノスの対話』
  • 『殉教について』
新約聖書の注解
  • 『マタイ福音書注解』25巻
  • 『ヨハネ福音書注解』32巻(エウセビオス22巻)
  • 『ヨハネ福音書注解抜粋』
  • 『ルカ福音書注解』15巻
  • 『ロマ書注解』15巻
  • 『ガラテヤ書注解』15巻
  • 『エフェソ書注解』3巻
  • 『フィリピ書注解』
  • 『コロサイ書注解』2巻
  • 『第一テサロニケ書注解』
  • 『テトス書注解』
  • 『フィレモン書注解』
旧約聖書の説教
  • 『創世記説教』17巻
  • 『出エジプト記説教』8巻
  • 『レビ記説教』11巻
  • 『民数記説教』28巻
  • 『申命記説教』13巻
  • 『ナウェの子ヨシュア記説教』26巻
  • 『士師記説教』9巻
  • 『過越祭説教』8巻
  • 『列王記上説教』4巻
  • 『ヨブ記説教』22巻
  • 『箴言説教』7巻
  • 『コヘレト書説教』8巻
  • 『雅歌説教』2巻
  • 『イザヤ書説教』32巻
  • 『エレミヤ書説教』14巻
  • 『エゼキエル書説教』12巻
  • 『詩篇3篇説教』
  • 『詩篇4篇説教』
  • 『詩篇8篇説教』
  • 『詩篇12篇説教』
  • 『詩篇13篇説教』
  • 『詩篇15篇説教』3巻
  • 『詩篇16篇説教』
  • 『詩篇18篇説教』
  • 『詩篇22篇説教』
  • 『詩篇23篇説教』
  • 『詩篇24篇説教』
  • 『詩篇25篇説教』
  • 『詩篇26篇説教』
  • 『詩篇27篇説教』
  • 『詩篇36篇説教』5巻
  • 『詩篇37篇説教』2巻
  • 『詩篇38篇説教』2巻
  • 『詩篇39篇説教』2巻
  • 『詩篇49篇説教』
  • 『詩篇51篇説教』
  • 『詩篇52篇説教』2巻
  • 『詩篇54篇説教』
  • 『詩篇67篇説教』7巻
  • 『詩篇71篇説教』2巻
  • 『詩篇72篇説教』3巻
  • 『詩篇73篇説教』3巻
  • 『詩篇74篇説教』
  • 『詩篇75篇説教』
  • 『詩篇76篇説教』3巻
  • 『詩篇77篇説教』9巻
  • 『詩篇79篇説教』4巻
  • 『詩篇80篇説教』2巻
  • 『詩篇81篇説教』
  • 『詩篇82篇説教』3巻
  • 『詩篇83篇説教』
  • 『詩篇84篇説教』2巻
  • 『詩篇85篇説教』
  • 『詩篇87篇説教』
  • 『詩篇108篇説教』
  • 『詩篇110篇説教』
  • 『詩篇118篇説教』3巻
  • 『詩篇120篇説教』
  • 『詩篇121篇説教』2巻
  • 『詩篇122篇説教』2巻
  • 『詩篇123篇説教』2巻
  • 『詩篇124篇説教』2巻
  • 『詩篇125篇説教』
  • 『詩篇127篇説教』
  • 『詩篇128篇説教』
  • 『詩篇129篇説教』
  • 『詩篇131篇説教』
  • 『詩篇132篇説教』2巻
  • 『詩篇133篇説教』2巻
  • 『詩篇134篇説教』2巻
  • 『詩篇135篇説教』4巻
  • 『詩篇137篇説教』2巻
  • 『詩篇138篇説教』4巻
  • 『詩篇139篇説教』2巻
  • 『詩篇144篇説教』3巻
  • 『詩篇145篇説教』
  • 『詩篇146篇説教』
  • 『詩篇147篇説教』
  • 『詩篇149篇説教』
  • 『詩篇説教抜粋』
新約聖書の説教(とその他)
  • 『マタイ福音書説教』25巻
  • 『ルカ福音書説教』39巻
  • 『使徒行伝説教』17巻
  • 『第二コリント書説教』11巻
  • 『テサロニケ書説教』2巻
  • 『ガラテヤ書説教』7巻
  • 『テトス書説教』1巻
  • 『ヘブライ書説教』18巻
  • 『平和についての説教』
  • 『ピオニアへの勧めの説教』
  • 『断食についての説教』
  • 『一夫一婦制と三重婚ついての説教』2篇
  • 『タルソスにての説教』2篇
  • 『フィルミアヌス、グレゴリオス、その他さまざまな人々からの手紙のオリゲネスによる抜粋』2巻
  • 『オリゲネスの件に関する公会議の手紙』2巻
  • 『オリゲネスからさまざまな人々への手紙』9巻
  • 『自作弁護のための手紙』2巻
エウセビオスは『教会史』第6巻の中で、これらの著作をアレクサンドリア時代、カイサリア時代、そして晩年に分けている。エウセビオスの記録とヒエロニュムスの記録とで、しばしば巻数が異なっている。またヒエロニュムスが『書簡33』の中で言及していないものとしては、『ケルソス駁論』8巻と『ヘクサプラ』がある。

聖書解釈に関しては、3つの型があることが分かる:第一に、聖書に関して一節ずつ学者のレベルで注解したもの。第二に、同様の事柄に関するスコリア。そして第三に、聖書に関して一節ずつ一般の聴衆に向けて解説した説教である。

上で挙げたオリゲネスの著作は、長い時間の中で失われていった。特にユスティニアヌスによる非難と禁止によって、複製ができなかったことが大きかった。辛うじて残っているのは、後代の修道士たちが隠し持っていたために運良く難を逃れたものが多い。ただし、注解や説教などは、ルフィヌスとヒエロニュムスによるラテン語訳で残っているものがある。部分的であっても、ギリシア語とラテン語訳とが両方残っている作品としては、『諸原理について』、『エレミヤ書説教』、『マタイ福音書注解』(訳者不明)が挙げられる。

『ヘクサプラ』は、全体として複製されることはなく、オリジナルはペルシア人およびアラブ人によって破壊されるまでカイサリアの図書館にあったと考えられる。部分的には、特に七十人訳部分が繰り返し複製された。またシリア語訳されて『シュロヘクサプラリオン』として残された。

他に部分的にでも現存するものとしては、以下のものが挙げられる:
  • 『ヨハネ福音書注解』(ギリシア語9巻分)
  • 『マタイ福音書注解』(ギリシア語8巻分と不詳訳者によるラテン語訳部分)
  • 『雅歌注解』(ルフィヌス訳)
  • 『ロマ書注解』(ルフィヌス訳)
  • 説教279篇(ギリシア語21篇、ルフィヌス訳、ヒエロニュムス訳)
  • カイサリアのパンフィロスとエウセビオス編『オリゲネス弁護』6巻にまとめられた注解と説教
  • バシレイオスとナジアンゾスのグレゴリオス編『フィロカリア』にまとめられた注解と説教
  • カテーナに収録された注解
  • 後代の著者(オリュンポスのメトディオスやエピファニオスら)による引用
  • 『諸原理について』(ギリシア語部分、ルフィヌス訳、ヒエロニュムスによる引用、ユスティニアヌスによる引用、その他著作家による引用)
  • 『殉教の勧め』
  • 『祈りについての論文』
  • 『復活祭についての論文』
  • 『ヘラクリデスとの対話』
  • 『グレゴリオス・タウマトゥルゴスへの手紙』
  • 『ユリウス・アフリカヌスへの手紙』
  • 『ケルソス駁論』
オリゲネスの思想を再構成するために、しばしば研究者はギリシア語で保存された主要著作ばかりに注目するきらいがあるが、これは多くの説教に残されている牧会者としてのオリゲネスの姿を消してしまう危険性がある。

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