2011年8月18日木曜日

『ヘアラット・シュライム』

ウルパンの2週目、3週目が終わりました。これで今月の授業はあと残り一週間となりました。
授業の合間を縫って、『ヘアラット・シュライム(英題:Footnote)』という映画を観てきました。エルサレムで学んでおられる友人から教えていただいたのですが、この映画は2011年のカンヌ国際映画祭の最優秀脚本賞を受賞しています。


この映画、なんと主人公はエルサレム・ヘブライ大学でタルムードを長年研究してきた老文献学者(エリエゼル・シュコルニク)という超絶に地味なキャラクターで、しかもその研究対象もバビロニア・タルムードではなくエルサレム・タルムードというのだから徹底しています(有名さの度合いでいえば、さしずめ『万葉集』に対する『古今和歌集』といったところでしょうか)。エリエゼルにはウリエルという息子がおり、彼もヘブライ大学でタルムードを教えているのですが、父親とはアプローチが正反対で、軽妙な語り口でタルムードを講じる売れっ子学者として活躍していました。映画はこの二人を中心に、アカデミズムにおける足の引っ張り合いを描いています。あらすじについては、この記事をご参照ください。

テーマの地味さにもかかわらず、ところどころコメディ的な要素もあり、とても面白く観ることができました。何より、文献学にはこういう使い方もあるのかと感心してしまいました。日本で公開されるのか分かりませんが、カンヌで賞を獲った映画ですからDVDの発売を期待したいと思います。

映画館です。概観は完全にカフェなのですが、中には意外と大きな劇場があります。

 『ヘアラット・シュライム』のポスター。上はシュロモ・バル・アバ(父親役)、下はリオル・アシュケナズィ(息子役)。
 
帰りにマルティン・ブーバーの旧居を訪れてきました。これはポストです。そういえば、ブーバーの祖父のソロモン・ブーバーも偉大な文献学者でしたが、息子との関係はどうだったんでしょうか(孫のマルティンはだいぶかわいがられたようですが)。

ブーバーの家の外観。特に記念館などにはなっていません。それどころか改装中のようで、もしかしたら近々取り壊したりするのかもしれません。Nahum Sokolov通りを入ったところにあるので、見たい方はお早めに。

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